プライベートな空間の心地よさって、いつまで実感することができるのだろう
愛車のフロントに、かわいいヤツがいくつか散らばっている。
いつもちゃんと並べるのだけど、カーブを曲がるたびにあっちへスルーッこっちへスルーッと動き回り、次第に散らばるのだ。
あまりにもフロントを滑りまくるので、モップ状態になってしまってちょっと薄汚れているところがまたかわいい。
車の中って落ち着く。トイレも落ち着くけど、車にはかなわない。ちょっと狭い完全個室で、誰にも邪魔されない。
なんて言ってるといつも周りに誰かいるみたいだね、実際ボッチの時間が多いけど。
車の中ってテレビもあるしDVDも観れるし、音楽も聴けるしベッドにもなるし、大声上げてもまあ迷惑はほとんど掛けることはないし。
かわいいヤツがごろっとしていれば、暗い闇夜も一人ぼっちも怖くない。ちょっと淋しいけどね。
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介護実務者研修の職業訓練に通っている私は、最近、特別養護老人ホームでのボランティアを始めた。
1週間に1度、講習が終わってから2時間だけだけど。
ここでの出来事をあまり多く語るつもりはないけれど、もしも自分がこういった介護施設に入所する立場になったら、よっぽどいい施設でないと多くの場合行動は制限されるだろうし、自分の時間も自分の居場所もなくなってしまうんだなと思った。
前に自分が2年間勤めていた介護施設での経験も含めてそう思った。
部屋はある。ボランティア先の特養は個室だし、自分のなじみのものを持ち込むことだってできる。
でも、朝起きる時間も、ご飯を食べる時間も、寝る時間も、トイレに行くことだって、行きたい時に行けることよりも介護側の管理下でちょっと待っててと言われることも少なくない。
介護職が人手不足だとか、緊急の事由で手が離せないとかそれなりの理由があるとはいえ、どうしてもトイレに行きたくて、でも自分の力だけではどうしても行けなければ誰かの手を借りるしかないのにトイレに行けないのって、かなり切ないことだろうと心では分かってるのに遂行できないジレンマ。
介護現場は施設の場合ほとんどの生活が管理下にある。見守りではなく、管理だ。
そんな状況を知ると、これから私はどんな介護ができるのだろう、私の力ってどんなものだろう、介護職員になるべきかどうかでさえ分からなくなる。
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フロントのかわいいヤツらを見ながら、高齢者について考える。
私がおばあちゃんになったら、こんなふうな何気ない幸せをどれくらい感じることができるのかな・・・と。
介護施設に入るよりも、自宅で孤立死の方が幸せなのかも知れないなんて、不謹慎かも知れないけどそんなことを考えた。
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