さんぽ
久しぶりに近所を歩いた。
田舎にいると、ほんのちょっとの距離でも車を使って移動してしまう。
何せ1番近い自動販売機に行くのすら2キロの道のりを行かねばならないのだから、今まさに喉が乾いた状態で歩くには遠すぎる。
そんなわけで、近所をちゃんと歩いたのは本当に久しぶりだった。
いつもは車で通る道のりを歩いてみると、いろんなことに気づく。
山ぶどうみたいなツル植物を発見。
実が成っていたので、1粒食べてみようかと思った。けれど、苦かったらアレなのでやめる。
それから少し下ると、畑に蕎麦の花が咲いていた。
昔話で『蕎麦の根元が赤いのは、寒い地べたに植わっているからだ』と聞いたような聞かなかったような。
可愛いお話だけど、今日はすこぶる暑かった。
さらに下ると左側に茶畑、
右側には、まだ短い牧草に囲まれた小さい木が1本。
するとヒラヒラと目の前を何かが舞い、側溝に落ちた。
枯葉みたいな蛾が居た。
まっすぐに伸びた杉。
秋花粉の親分的存在、ブタクサ。
たわわな赤いこの実は何の実だろう?
そして黄色い彼岸花。
蝉も賑やかに鳴いていて、どこかで山ガラスもガーガーと鳴いている。
夏の勢いほどではないけれど、まだ日焼けしそうな日差しが残る、このド田舎の道にはたくさんの秋が溢れていた。
たまに歩くと意外と楽しい。