羊ケ丘のクラーク博士へ
まだ無職になりたてだった7月、こんな機会はまたと無いと思い立ち、3週間かけて車中泊のプチ旅をした。
南は九州鹿児島から、北の大地北海道まで往復約7000キロの旅路だった。
今まで行ったことも見たこともなかったいろんな場所で、いろんな感動に出会いながら日本の大きさに感動した旅だった。
中でも北海道は一番時間をかけ、1週間かけてぐるっと1周したけれど、北海道は大き過ぎて実際は行けてない場所の方が多い。
1週間で回れる場所では到底ないのだ。
それでも富良野や美瑛の美しどころや信号のないまっすぐな道、クマの恐怖に怯えながら大音量で音楽を流しつつ歩いた湿原や心洗われた知床岬、ぽっかぽかの登別温泉やアイヌの資料館やニッカウヰスキーなどなどいろんなところを巡ることができた。
いろんな思い出ができたけれど、最終日に行った羊ヶ丘のクラーク博士に会えたときは感無量だった。
羊雲がサーッと広がる青空の下、クラーク博士が『 BOYS BE AMBITIOUS』と、右手で遥か彼方にある永遠の真理を掴まんと真横に真っ直ぐに伸ばしたその雄姿。
あー、北海道に来れたんだなー、でももう帰らなきゃいけないんだなぁー
複雑な思いが相まったあの日が一番印象深い。
介護職に就いたら長期休暇なんて夢のまた夢だよね。北海道に1週間旅行だなんて、そこに住む以外まず無理だものね。
まあ、介護職でなくたって今の日本、よほど大きな職場に就職しない限り長期休暇でバカンスなんて無理無理無理。
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なんて思いつつ、羊ヶ丘のクラーク博士にまた想いを馳せるのであります。
会いたいです、博士。