他愛のない議論が好き
うちの母は米を炊くとき『1.2合炊いて』とか『0.8合炊いて』とか『山盛り1合炊いて』などと言う人だ。
それについて娘の私は『細かい人だなー』とか『なーんかケチなんだよなー』とか『時々ついて行けないな〜』などと思ったりする訳だけど、世間一般ではそうではない考え方があることを職業訓練で知った。
母のこの細かいドケチな米の炊き方を話して、みんなが口々に言ったことは『えー!それってどうやって水測るのー?!?!?』だった。
『え?そこ?』と、私は思った。
みんなの疑問は細かな数字や電気代の勿体無さよりも水加減だった。
水の加減なんてどうとでもなるのだ。
0.8合なら1合炊くときより少しだけ少なめに水を入れればいいし、1.2合も然り、少しだけ多めに水を入れ入れればいいだけだ。
そもそも米の水加減なんて、いい加減でいいのだ。
昔の人はだいたい指の第2関節くらいまで水を入れたようだし、第2関節の長さも人それぞれマチマチなのだ。
炊飯器の水の分量だって、絶対ここまで入れないといけないと決まってるものでもない。
硬めのご飯が好きなら線よりやや少なめに水を入れるだろうし、軟らかめが好きならその逆だもの。
そんな他愛のない話をギャーギャーと真剣に話せる職業訓練の仲間を、私は愛しくてたまらないと思った。
もう、本当に大好き。